ディクテーションをやってみたものの、答え合わせをして終わり。
翌日も同じような所を落として、何が伸びているのか分からない。私も最初はそうでした。
こんな人に向けて書きました
- ディクテーションを始めたが、答え合わせをして終わっている人
- 単語は覚えているのに、聞き取れない理由が分からない社会人
- 平日に10〜30分ほどで、英語の練習を続けたい人
スクリプトを読んでも意味が分からない文が多いうちは、先に単語と文法を固めるほうが早いです。
この記事で分かること
- ディクテーションは「書く」より「落とした箇所を原因別に数える」ことに意味がある
- 58日数えたら、「知らない単語」が原因だったのは16件だけだった
- 落としていたのは、知っている単語の弱い音(a・to・語末の -s など)だった
私は聞き取れなかった箇所を「音の変化・知らない単語・速さ・文の構造」の4つに分けて、2026年8月24日から10月20日まで、58日間1日も空けずに記録しました。
この記事では、その手順・数え方・数えて分かったことを順に書きます。
ディクテーションはどんな手順でやるの?
1回のやり方は次の5つです。最初の2週間ほどは、1回30〜40分かかっていました。
- スクリプトを見ずに、その日の1分ぶんを通して聞く
- 文ごとに区切って5回ずつ流し、書き取る
- 公式のスクリプトと見比べる
- 取れなかった箇所を4分類に振り分けて数え、記録に1行書く
- 落とした箇所を口で練習する(オーバーラッピング、シャドーイング)
素材はニュースの音声を1日1分ずつ進めています。1本6〜8分の記事なら、1週間ほどで終わる計算です。
大事なのは4番目の「数える」です。
答え合わせで赤を入れるだけだと、「今日もたくさん落とした」という感想しか残りません。原因に分けて数えると、翌日に何をすればいいかが決まります。
聞き取れなかった箇所は、何に分けて数えるの?
私が使っている分類はこの4つです。
| 原因 | 中身 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 音の変化 | 音がつながる・消える・弱くなるのを処理できなかった | スクリプトを見れば知っている語。want to が「ワナ」になる、a lot of の of が消える、など |
| 知らない単語 | 語そのものを知らなかった | 聞こえてはいるが、スクリプトを見ても意味が分からない |
| 速さ | 語も音も知っているが、速さに追いつかなかった | 巻き戻してゆっくり聞けば取れる |
| 文の構造 | 文の切れ目や文法を取り違えた | 関係詞・挿入句で切れ目を誤った、冠詞の有無を取り違えた |
数えるときのルールは3つです。
- 固有名詞は数えない。 人名や知らない地名は、聞けても書けず、次に活きません
- 同じ語を何度も落としたら1件と数える。 型ではなく、その語の問題なので
- 句読点と大文字・小文字は数えない。 数えるのは、語の抜け・余計な語・取り違えだけ
1文を5回聞くとき、どう聞き分ければいい?
毎回同じ聞き方をしていると、途中で集中が切れます。私は回ごとに役割を決めています。
| 回 | やること |
|---|---|
| 1回目 | 書かずに聞く。「誰が・どうした」の骨組みだけつかむ |
| 2〜3回目 | 内容語の頭2〜3文字だけ書く。機能語はすき間を空けておく |
| 4〜5回目 | すき間を埋める。文法で予測する(be の後ろなら -ed か -ing、主語が単数なら動詞に -s) |
| 終わったら | 略記をふつうの語に戻しながら見直す |
略記でも、語尾だけは必ず残します(diagnosed なら diag-d)。数字は「13?」と書いておき、thirteen か thirty かを後で決めます。
最後の見直しは3点だけです。
- 主語が単数なら、動詞に -s があるか
- be や have の後ろに、-ed か -ing があるか
- 2つ以上の名詞に、-s があるか
数えて分かったこと1:落とすのは「知らない単語」ではなかった
初日(8/24)に落としたのは8か所でした。8か所すべてが、or・a・are・will・to のような機能語の弱い形で、内容語は1つも落としていません。
翌日も、14か所のうち12か所が機能語の弱い形と連結でした。to だけで5か所あります(need to・going to・used to・for it to・how to)。
| 日付 | 落とした数 | うち機能語の弱い形・連結 |
|---|---|---|
| 8/24 | 8 | 8 |
| 8/25 | 14 | 12 |

「単語力が足りないから聞き取れない」と思い込んでいましたが、数えてみると逆でした。
内容語は聞こえていて、文の骨組みはつかめている。落ちているのは、強く読まれない短い語と、語の最後の音です。冒頭の「知らない単語は58日で16件」も、この延長にあります。
その後も、いちばん多く落とし続けたのは語末の -s でした。素材を切り替えた日(8/29)とその翌日は、どちらも語末の -s や -ts を9か所ずつ落としています(therapists・experts・issues など)。
数えて分かったこと2:「聞けない」のではなく「書けない」こともある
8/31 に、冠詞の a が7回、語末の -s が12回以上出てくる区間を書き取りました。
| 対象 | 出てきた回数 | 取れた回数 |
|---|---|---|
| 冠詞の a | 7 | 5 |
| 語末の -s | 12以上 | 9以上 |
この日の記録には「冠詞と -s は、聞けないより書けない側に偏っている」と書いています。
音は耳に入っているのに、書くときに a や -s を付けるかの判断がぶれている。実際、9/4 には書き取りで「無い -s を足す」「無い the を足す」誤りが出て、同じ日の英作文でも同じ形の誤りをしていました。
聞くときも書くときも、冠詞と -s の規則がまだ自分の中に入っていない、ということです。
そこで英作文の練習を日課に足しました。ディクテーションだけを続けていたら、「聞き取れない」と思い込んだまま、耳の練習ばかり増やしていたと思います。
数えて分かったこと3:聞こえない音は、文法で補ってよい
10月に入って、「弱い語尾は音がほとんど出ていないのに、聞き取れるようになるべきなのか」と迷いました。linked to は /t/ が1つにまとまり、-ed が独立して鳴りません。文中の are は「ア」くらいにしか聞こえません。
結論として、文法(形)から補って正しく書ければよいと決めました。ネイティブも全部の音を聞いているわけではなく、文法で補っています。
「聞き違い」と「空欄」は、なぜ分けて数えるの?
10月から、答え合わせの結果を2つに分けて記録しています。
| 記録の分け方 | 中身 |
|---|---|
| 聞き違い | 書けたのに違う(例:health を help と書く) |
| 空欄 | 聞こえなくて書けなかった |
空欄は、書いた時点で「聞こえなかった」と自覚できます。聞き違いは自覚できません。health を help と書いた日は、自分では聞き取れたつもりでいます。だから、直すのは聞き違いのほうを中心にしています。
この形にしてから、狙った箇所(語尾や機能語)を取れた割合が上がりました。
| 日付 | 狙った箇所を取れた割合 |
|---|---|
| 10/15 | 15% |
| 10/18 | 57% |
10/18 には、8かたまりのうち3つで、1かたまり丸ごと正解が初めて出ました。ただ、翌日は話題の語で埋める癖が出て下がっていて、まだ上がり下がりがあります。
よくある質問
Q. 1回に何分ぶん書き取ればいいですか?
A. 私は1日1分です。最初の2週間ほどは、1分でも30〜40分かかっていました。今は5〜6語ずつのかたまりを1回だけ聞く形にしていて、10〜15分で終わります。量を増やすより、毎日数えるほうを優先しています。
Q. 自分で4分類に分けるのは面倒ではないですか?
A. 最初は自分で書いていましたが、答え合わせと分類はAIに任せるようにしました。書き取った文を丸ごと渡して、スクリプトと見比べて原因を振り分けてもらっています。私がやるのは、書き取りと、分類の結果を読むことだけです。
Q. スクリプトのない素材でもできますか?
A. おすすめしません。正解の文がないと、何を落としたのかが数えられません。公式のスクリプトが付いている素材を選んでください。
今日からやること
- 手元の素材で1分ぶん書き取る
- 落とした箇所を「音の変化・知らない単語・速さ・文の構造」に分けて数える
- 3日分たまったら、どれを多く落としているかを見る
原因ごとの見分け方と打ち手は、次の記事にまとめています。


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