応用情報の計算問題は、公式を見れば分かった気になるのに、いざ解くと選択肢が合わない。
あるいは記号は合ったのに、自分の式が正しかったのか自信がない。理系出身の私も、まさにその状態でした。
こんな人に向けて書きました
- 応用情報の計算問題で、公式は分かるのに選択肢が合わない人
- 記号は合ったが、自分の式が正しかったか自信がない人
- 稼働率・鍵の数・MIPS・キャッシュの式を、例題で確かめたい人
各型の公式をまだ一度も見ていない人は、先にテキストで意味を読んでからのほうが早いです。
この記事で分かること
- 記号が合っても式が正しいとは限らない。稼働率で3回、共通鍵の数で3回あった
- 誤りは、式の形をうろ覚えにしていることから来ていた
- 答えの大きさで検算できる型が多い
誤りの例は、並列の稼働率で「1から差し引く」を落とす、組み合わせの数を(n−1)²にする、などです。
この記事では、私が実際に書いて落とした式と、正しい式を並べます。例題は、私がAIに出題・採点させて解いた問題そのものです。
私はまだ受験準備中(2027年2月に科目Aを受ける予定)です。ここに書くのは、2026年9月23日から10月21日までの記録です。
稼働率の計算で、並列はなぜ1から差し引くの?
例題 装置A(稼働率0.99)と、B1・B2(各0.90)の並列構成を直列に接続する。全体の稼働率は?
A:0.8910 B:0.9702 C:0.9801 D:0.9999
正しい式から書きます。
| 構成 | 式 |
|---|---|
| 直列 | 稼働率 = a × b(掛けるだけ) |
| 並列 | 稼働率 = 1 −(1 − a)×(1 − b) |
並列は、両方が止まる確率を掛けて、それを1から差し引きます。並列部分を先に1つにまとめます。
- B1・B2の並列 = 1 −(1 − 0.90)×(1 − 0.90)= 1 − 0.10 × 0.10 = 1 − 0.01 = 0.99
- 全体 = 0.99 × 0.99 = 0.9801
正解はCです。
私が実際に書いた誤った式
この1問で、私は式を2種類間違えました。
| 日付 | 書いた式 | 計算すると |
|---|---|---|
| 9/28 | 0.99 ×(1 − 0.9²) | 0.99 ×(1 − 0.81)= 0.99 × 0.19 = 0.1881 |
| 10/2・10/19 | 0.99 ×(1 − 0.9)² | 0.99 × 0.01 = 0.0099 |
| 10/21 | 0.99 ×(1 −(1 − 0.9)²) | 0.99 × 0.99 = 0.9801 |
どの日も、記号はCを選んでいました。式どおりに計算すると選択肢のどれにも当たらないのに、記号だけは合っていたことになります。
1つ目は「0.9を二乗」していて、止まる確率(1 − 0.9 = 0.1)を使っていません。2つ目は止まる確率を二乗したところで止まり、1から差し引くのが抜けています。
並列にすると稼働率は上がるので、答えは1に近い数(0.9台)になります。
0.0099のような小さい数が出たら、「1 − ◯」の形にし忘れています。
共通鍵の数の計算は、なぜ n(n−1)/2 なの?
例題 100人が共通鍵暗号で互いに秘密通信する。必要な鍵の総数は?
A:100 B:199 C:4,950 D:9,900
共通鍵は、通信する2人の組ごとに1本必要です。100人から2人を選ぶ組み合わせの数なので、次の式になります。
- 鍵の数 = n ×(n − 1)÷ 2 = 100 × 99 ÷ 2 = 9,900 ÷ 2 = 4,950
正解はCです。2で割るのは、「AとBの鍵」と「BとAの鍵」が同じ1本だからです。
私が実際に書いた誤った式
10月2日と10月19日、私は根拠に「(100 − 1)² ÷ 2」と書きました。
- (100 − 1)² ÷ 2 = 99 × 99 ÷ 2 = 9,801 ÷ 2 = 4,900.5
4,950に近いので、選択肢を見ると記号は当たってしまいます。
同じ型の20人の問題(A:20 B:40 C:190 D:380)では、別の間違いもしました。
| 日付 | 書いた答え・式 | どこが誤りか |
|---|---|---|
| 正しい式 | 20 × 19 ÷ 2 = 380 ÷ 2 = 190(C) | |
| 9/28 | 20 × 19 = 380(D) | 2で割るのを忘れた |
| 10/2 | 記号は正解、根拠は (20 − 1)² ÷ 2 = 361 ÷ 2 = 180.5 | 式の形が違う |
| 10/19 | 人数分の20(A) | 公開鍵の鍵ペアの数と混同した |
公開鍵なら、何を数えるの?
公開鍵暗号では、1人が1組の鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を持てば、送る側は相手の公開鍵を使えます。
20人なら鍵ペアは20組、鍵の本数で数えると20 × 2 = 40本です。私は10/2に、鍵ペアの数を聞かれて40と答えました。問題文が「鍵ペア」か「鍵の本数」かを、最後に読み直します。
覚え方は「共通鍵は組の数、公開鍵は人の数」です。
MIPS・CPIの計算は、どう桁をそろえるの?
MIPSは「1秒に何百万命令こなすか」です。CPIは「1命令に何クロックかかるか」です。GHzは「百万回」に直してから割ります。
例題1 クロック周波数2GHz、平均CPIが4のCPU。性能は何MIPS?
A:0.5 B:8 C:500 D:8,000
- 2GHz = 2,000,000,000回/秒 = 2,000百万回/秒
- 1秒の命令数 = 2,000百万 ÷ 4 = 500百万命令
- 性能 = 500MIPS(C)
私は式を「2 × 10⁶ ÷ 4」と書きました。2GHzを2 × 10⁶(200万)と置いたので、桁が3つ違います。
この式どおりなら 2,000,000 ÷ 4 = 500,000命令/秒 = 0.5MIPS で、選択肢Aになります。記号はCで正解でしたが、式が誤っているので正解に数えていません。
例題2 1命令を平均0.5マイクロ秒で実行するCPU。何MIPS?
A:0.5 B:2 C:5 D:20
- 1秒の命令数 = 1秒 ÷ 0.5マイクロ秒 = 1 ÷ 0.0000005 = 2,000,000命令
- 性能 = 2,000,000 ÷ 1,000,000 = 2MIPS(B)
例題3 命令Xが60%(CPI 2)、命令Yが40%(CPI 6)。平均CPIは?
A:3.6 B:4.0 C:4.4 D:8.0
- 平均CPI = 0.6 × 2 + 0.4 × 6 = 1.2 + 2.4 = 3.6(A)
割合を掛けて足す、加重平均です。例題2と3は、初回から式ごと正解できました。
キャッシュの実効アクセス時間は、どう求めるの?
式は次のとおりです。
実効アクセス時間 = ヒット率 × キャッシュの時間 +(1 − ヒット率)× 主記憶の時間
例題1 キャッシュ10ns、主記憶60ns、ヒット率90%。実効アクセス時間は?
A:14ns B:15ns C:19ns D:51ns
- 0.9 × 10 +(1 − 0.9)× 60 = 0.9 × 10 + 0.1 × 60 = 9 + 6 = 15ns(B)
答えは必ず、キャッシュ(10ns)と主記憶(60ns)の間に入ります。
外に出たら、式の組み方が違います。
例題2 キャッシュ10ns、主記憶60ns。実効アクセス時間を12nsにするのに必要なヒット率は?
A:92% B:94% C:96% D:98%
ヒット率をhとして、同じ式をhの方程式にします。
- 10h + 60(1 − h)= 12
- 10h + 60 − 60h = 12
- 60 − 50h = 12
- 50h = 60 − 12 = 48
- h = 48 ÷ 50 = 0.96 → 96%(C)
私は式の立て方は合っていたのに、移項で「50h = 38」と書いて落としました。原因はケアレスです。12を右から左へ動かすとき、引く向きを逆にしています。
逆算の問題は、出したhを元の式に戻して12になるかを確かめれば防げます(0.96 × 10 + 0.04 × 60 = 9.6 + 2.4 = 12)。
サブネット・二分探索・EVMの計算は、どこで間違えた?
ほかにも、記号は合っていて式が誤っていた問題があります。
| 型 | 誤った式 | 正しい式 |
|---|---|---|
| /26のホスト数 | 2⁸ = 64、4⁴ − 2、2⁶ = 64で止まる | 2^(32 − 26) − 2 = 2⁶ − 2 = 64 − 2 = 62 |
| 100万件の二分探索の比較回数 | 10²⁰ | 2¹⁰ ≒ 1,000なので 2²⁰ ≒ 100万 → 約20回 |
| EVMのコスト差異 | CV = AC − PV | CV = EV − AC(マイナスなら予算超過) |
ホスト数の −2 は、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つです。EVMは、SV = EV − PV、CV = EV − ACで、どちらも先頭がEVです。
待ち行列(M/M/1)・伝送時間・ページ置換など、頻出の残りの型はまだ手をつけていません。解いたら同じ形で追記します。

計算問題は、知識が無いと手が止まって、そこで終わってしまうと感じました。
よくある質問
Q. 計算問題は全部解けるようにすべきですか?
A. 私は頻出の15種に絞っています。テクノロジは6割を目標にしているので、出る型を確実に取るほうを優先しました。
Q. 記号が合っていれば、式は気にしなくていいですか?
A. 私は気にするべきだと考えています。今回の例では、式が誤っていても選択肢が近いせいで記号が当たっていました。本番で数字が変われば外れます。
Q. 式はどうやって覚えましたか?
A. 意味から覚え直しています。並列は「止まる確率を掛けて1から差し引く」、共通鍵は「2人を選ぶ組み合わせ」のように、式の形を言葉にしてから使います。
今日からやること
- 計算問題を解くとき、記号と一緒に式を1行書く
- 答えの大きさで検算する(稼働率は0.9台、鍵の数は整数など)
- 記号が合っても式が誤っていたら、正解に数えない
私が落としたMIPS(GHzの桁)とキャッシュの逆算(移項)は、翌日にもう一度出題されます。そのあと、待ち行列・伝送時間・ページ置換に進みます。10月31日の確認テスト(型15問でヒント無し12問)までに、15種すべてに一度は手をつけます。
(10月31日の確認テストの結果は、出たらここに追記します)



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