オーバーラッピングとシャドーイングは、どちらも「音源に合わせて声を出す練習」です。
違いがはっきりしないまま、なんとなくシャドーイングから始めていないでしょうか。
こんな人に向けて書きました
- オーバーラッピングとシャドーイング、どちらから始めるか迷っている人
- 口の練習をしても、翌日にまた同じ語を外してしまう人
- 書き取りと組み合わせて、毎朝の練習を組みたい人
自分が何を落としているかまだ言えない人には、どちらもまだ早いです。先に書き取りで落とした箇所を数えてください。
この記事で分かること
- オーバーラッピングは部分を直す練習、シャドーイングは通しで確かめる練習
- やる順番は、書き取りで見つける→オーバーラッピング→シャドーイング
- 口で重ねた練習は、12日後には4件中1件しか残っていなかった
この記事では、私が毎朝の英語の日課で2か月ほど試してきた記録から、2つの違いと使い分け、うまくいかなかったことを書きます。
オーバーラッピングとシャドーイングは何が違うの?
私の使い方での違いは、表にするとこうなります。
| オーバーラッピング | シャドーイング | |
|---|---|---|
| 文字 | 見ながら | 見ないで |
| 声を出すタイミング | 音源と同時に重ねる | 少し遅れて追いかける |
| 範囲 | その日に落とした箇所だけ(部分) | 1分ぶんを通しで(全体) |
| 速さ | 0.85倍や0.7倍に落とす | 等速に戻す |
| 役割 | 音を作る | 作った音を文脈の中で使えるか確かめる |
オーバーラッピングは部分練習、シャドーイングは通し練習、と考えると分かりやすいと思います。
スポーツで言えば、苦手な動きだけを取り出した反復と、試合形式の練習の違いです。
どの順番でやればいいの?
私の日課は、もともと次の4段でした。
- ディクテーション(1分ぶんを書き取る)
- ライティング(短い英作文)
- オーバーラッピング(1と2で落とした箇所だけ)
- 通しのシャドーイング(その日の1分を等速で)
1と2は「見つける」段、3と4は「直す」段です。
この順番は入れ替えません。
何が落ちているか分からないうちに口を動かしても、既にできる音を練習するだけになるからです。
オーバーラッピングの中身は、既製の教材ではなく、その日に自分が落とした音だけで作っていました。たとえば to の弱形を落とした日は、need to・going to・used to のような箇所を集めて、0.85倍で数回ずつ重ねます。
英作文で間違えた形(a precise way のように冠詞と -s を含む言い方)も、直した形で入れていました。
シャドーイングは、最初は「スクリプトを見ながら1分を重ねる→スクリプトを閉じて等速で追う」を3回ずつにしていました。「少し多い」と感じて、2回ずつに減らしています。
詰まった語は捨てて、次の文から戻ります。止まって考えると、それ以降が全部落ちるからです。
時間が無い日は、どちらを削るの?
時間が無い日に何を削るかも、先に決めておきました。削るのは4段目のシャドーイングからです。
1〜3は測定と修正なので、削ると「何が落ちているか」が分からなくなります。シャドーイングは仕上げなので、1日抜けても翌日に取り返せます。
実際、始めて3週間ほどで「通しはいったんいらないかも」と感じ、シャドーイングはしばらく外しました。オーバーラッピングも1項目4回から3回に減らし、8分程度に収めています。
オーバーラッピングで分かったこと1:3回とも文字を見ていた
始めて1か月ほどたったころ、「練習しても翌日にまた同じ語を外す」ことが続きました。原因を探ると、3回とも文字を見ながら声を重ねていたことが分かりました。
目で読んで口が動く流れになっていて、音から語を思い浮かべる練習になっていなかったわけです。練習した bucks を、翌日の書き取りでまた bugs と書いていました。
それからは、1〜2回目は文字を見てよい、3回目だけ目を離す、に変えました。3回目に口から出てこなかった箇所は、まだ音として入っていないので、翌日にも残します。
オーバーラッピングで分かったこと2:音の特徴には向くが、語の取り違えには向かない
9/12に、少し前にオーバーラッピングで練習した8件を、答えを伏せてもう一度書き取りました。結果は4件通過、4件不通過で、分かれ方がはっきりしていました。
| 結果 | 件数 | 中身 |
|---|---|---|
| 通った | 4 | 語末の -s、or の弱形、/sl/ の音、to の弱形。どれも「音の特徴」 |
| 通らなかった | 4 | health を help、carry を career、falling を foreign と取る「語の取り違え」と、所有格・冠詞 |
health を help と取る癖は、正しい health の音を4回重ねても直りませんでした。

知っている別の語に化けている場合は、正しい音だけを繰り返しても元の聞き方が残るようです。
こちらは health と help を交互に聞き比べる練習に切り替えました。
オーバーラッピングで分かったこと3:12日後には残っていなかった
さらに12日後(9/24)に同じ組を確かめました。
| 確かめた日 | 対象 | 通った件数 |
|---|---|---|
| 9/12 | 練習した8件 | 4件 |
| 9/24 | 9/12に通った4件 | 1件(or の弱形) |
口で重ねる練習は、その日と翌日には役に立っても、2週間近く空くと残っていなかったことになります。
10月からは、ある英語コーチの方法を参考に、15分の形に変えました。
- 1回だけ聞いて書く
- 答え合わせ
- 聞き違えた3〜4か所を0.7倍で3回重ねる
- 等速で2回
- 声を出さずに1回聞く
最後の「声を出さずに1回」は、ほぼ毎日4問中4問が○でした。ところが翌日、新しい文では同じ型をまた落としていました。直前に5回聞いた音なので、取れて当たり前だったのだと思います。
初日から6日間の結果は次のとおりで、上下しています。10/28 にこのやり方を続けるか判断します。
| 日目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 正解 | 3/5 | 5/5 | 4/5 | 5/5 | 4/5 | 3/5 |
(10/28 の判断の結果は、出たらここに追記します)
オーバーラッピングとシャドーイング、どちらが向いているの?
順位ではなく、条件で分けるとこうなります。
| 向く練習 | こういう人 |
|---|---|
| オーバーラッピング | 書き取りで、落とす箇所が「to の弱形」「語末の -s」のように具体的に分かっている |
| オーバーラッピング | スクリプトを見れば知っている語ばかりで、音の形に慣れていないだけ |
| シャドーイング | 部分練習で作った音を、文の速さの中で使えるか確かめたい |
| シャドーイング | 1文ずつなら取れるが、通しで聞くと途中から崩れる |
どちらもまだ要らない人もいます。
- 自分が何を落としているか、まだ言えない人。先に書き取りで落とした箇所を数えてください
- health と help のように、知っている別の単語に聞き違えるのが中心の人。声を重ねるより、2語を聞き比べる練習が先です
- スクリプトを見ても意味の分からない語が多い人。素材のレベルを下げるのが先です
よくある質問
Q. シャドーイングだけではだめですか?
A. だめではありませんが、私の場合、通しで追っているとどこで崩れているかが分からなくなりました。先に落とした箇所を書き取りで特定し、そこだけ部分練習をしてから通すほうが、何を直しているかがはっきりします。
Q. 自分の声を録音して判定したほうがいいですか?
A. 私は自動の文字起こしで発音を判定する仕組みを試しましたが、2日でやめました。言えている語を「崩れた」と判定するなど精度が足りず、間違った方向に練習しかねなかったからです。発音はオンライン英会話の先生に直してもらっています。
Q. 速さは何倍がいいですか?
A. 口で作る段は0.7〜0.85倍、通しは等速にしていました。速くするのは、ゆっくりで取れるようになってからです。
今日からやること
- 1分の素材を書き取り、落とした箇所を3〜4個選ぶ
- その箇所だけを、文字を見ながら0.85倍で2回、文字を見ずに1回重ねる
- 翌日の書き取りと1週間後に、同じ箇所が取れるかを確かめる
翌日と1週間後に取れるかを見れば、自分にとって意味のある練習かどうかが分かります。



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